ガーシー(本名・東谷義和)元参院議員が公開した動画で名誉を毀損されたとして、元兵庫県警警察官の男性が損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は10日、一審の口頭弁論手続きは違法だとして、1千万円の賠償を命じた一審神戸地裁判決を取り消し審理を地裁に差し戻した。
浜本章子裁判長は判決理由で、一審で呼び出し状や判決文が適切に送達されなかったと指摘。東谷氏の交流サイトのダイレクトメッセージ機能などで知らせる手段があったとした。
高裁判決によると2024年9月、地裁の書記官が訴状に記載された東谷氏の住所に呼び出し状などを送達したが、保管期間経過で翌月返送された。送達場所が不明として男性が公示送達の申し立てを行い、今年1月の一審判決も公示送達とした。
一審判決によると、東谷氏は22年4月、投稿動画で男性について「ヤクザと賭けマージャンしてクビになった」などと発言した。報道で一審判決を知った東谷氏が控訴していた。