【ブリュッセル共同】石油輸出国機構(OPEC)は10日に公表した2025年版の世界石油見通しで、50年の世界の石油需要は24年比で19%増の日量1億2290万バレルになると予測した。昨年公表の見通しより280万バレル多く、需要拡大が加速すると予想。地球温暖化対策に否定的なトランプ米大統領が政権に返り咲いたことに加え、新興国の需要増を見込んだ。
主要産油国でつくるOPECは石油の重要性を訴える立場にあり、需要が増加するシナリオを発信している。今回の見通しでも、50年までに「需要がピークを迎える兆候はない」と強調した。
日米欧の先進国を中心とした経済協力開発機構(OECD)諸国の石油需要は50年に3720万バレルになると予想した。24年から19%減るが、昨年示した3560万バレルを上回る。米国に加え、防衛力や産業競争力の強化を重視する欧州でも、脱炭素化の取り組みが後退する可能性を指摘した。
需要拡大が顕著なのはインドで、50年は24年比で2・4倍の1370万バレルになると予想する。