観光客でにぎわう鎌倉大仏=2023年、神奈川県鎌倉市

 文化庁は31日、神奈川県の「いざ、鎌倉」など日本遺産に認定済みの3件を、今後の審査次第で認定取り消しの可能性がある「点数評価」の対象にすると発表した。現地調査などを経て12月ごろまでに取り消すかどうかを決める。

 3件はほかに新潟県の「信濃川流域の火焔型土器と雪国の文化」、奈良県の「森に育まれ、森を育んだ人々の暮らしとこころ」。

 日本遺産は、地域の文化財を観光振興に活用することを目的に、2015年度から認定を開始。質を維持するため、一定期間ごとに各地の取り組みを評価している。

 本年度の評価対象は16年度と19年度に認定した計35件。点数評価以外では「認定継続」が26件、継続判断を保留する「再審査」が6件だった。

 文化庁は100件程度を上限とみており、活用などが不十分な遺産の取り消しと、新規の追加認定に向け、24年度から点数評価を導入。今年2月に福岡、佐賀両県の「古代日本の『西の都』」の認定を初めて取り消し、新規と入れ替えた。本年度は新規認定の対象となる候補を選んでいない。