【蘇州共同】日本人母子が切り付けられる事件が昨年6月に起きた中国江蘇省蘇州で再び日本人が襲われ、現地の邦人社会に動揺が広がった。今回も子どもを連れている際に襲撃されており、保護者からは「昨年の事件から1年がたち、落ち着いたのではないかと思っていたのに」「また同様の事件が起きないか不安だ」との声が相次いだ。

 今回の事件の発生現場とされる地下鉄駅は、新しいショッピングモールやマンションが立ち並ぶ市内中心部に位置する。

 駅構内では1日、複数の警備員が巡回していた。女性が襲われたとみられる構内のトイレ付近で警備員は「事件が起きたかどうかは言えない」としながら「警察が処理しており安心してほしい」と話した。

 現地に住む日本人女性は「中国国内で今回の事件が伝わり、犯人に対して『よくやった』などの称賛が広がらないか心配。歴史的に敏感な9月を控えているので安心できない」と顔を曇らせた。

 現場から十数キロ離れた日本料理店街では警備員が増員され、厳重な態勢が取られていた。