【ブリュッセル共同】欧州連合(EU)の最高裁判所に当たる欧州司法裁判所は1日、イタリアが隣国アルバニアに設けた移民・難民の一時収容施設を巡り、イタリア政府が収容の根拠とした緊急政令の妥当性を認めない判決を出した。施設への移民収容が認められないことになり、イタリアのメローニ首相は「不法移民対策を弱体化させる」と反発した。
緊急政令は収容できる移民の出身国としてバングラデシュなどを指定したが、判決は、対象国が少数派を含む全ての国民を適切に保護していることが必要だと指摘した。
イタリアは地中海で救助した移民を、難民申請の審査中に留め置くための施設を、アドリア海を挟んで向き合うEU非加盟のアルバニアに設置。対象は「安全な国」の出身者で、申請が認められなければ出身国に強制送還するとしていた。
施設には2024年10月に第1陣が到着したが、バングラデシュ人らが含まれておりイタリアの裁判所は「安全な国」ではないとして収容を認めなかった。