郵便局に並ぶ軽バン=6月、東京都港区

 日本郵便が配達員の酒気帯びの有無を確認する点呼業務を適切に実施していなかった問題で、国土交通省が貨物自動車運送事業法に基づき、各地の郵便局約100局を対象に、軽バンなどを一定期間、使用停止とする行政処分案の通知文書を送付したことが3日、関係者への取材で分かった。

 この問題を巡って国交省は6月、日本郵便が拠点間の輸送などに使うトラックやバン約2500台の貨物運送事業許可を5年間にわたって取り消す行政処分を出した。これに加えて、軽バンが使えなくなれば宅配便などに支障が出て、物流への影響がさらに広がる恐れがある。

 関係者によると、大型のトラックやバンは許可制で、事故を起こした場合の被害が大きいため、安全確保の観点から早期の処分に踏み切った。軽バンなど約3万2千台は届け出制になっており、各地の地方運輸局や運輸支局がそれぞれ管内の郵便局を監査していた。

 これまでに約100局で法定点呼の不実施といった違反が確認され、運輸局や運輸支局が使用停止とする台数や日数を示す処分案を作成。3日付で各郵便局に送付した。