各地でオーバーツーリズム(観光公害)が問題となる中、旅行者のマナー向上に取り組む一般社団法人「ツーリストシップ」(京都市)は、旅行者向けの行動基準集を作成した。団体によると、こうした基準集は世界的にも珍しいという。ごみの正しい捨て方から、国によって異なるジェスチャーの意味まで幅広く紹介している。
日本語版と英語版があり、旅行者として身に付けておきたい基本マナーを解説。団体サイトで無料公開している。住宅街にある宿泊施設を利用する場合は、スーツケースを引きずる音が響いて周囲の迷惑になるため、深夜のチェックインを避けるなど、地域住民の気持ちに寄り添った配慮が必要とアドバイスした。
諸外国のルールも取り上げた。ドイツでは、夜10時〜朝6時まで騒音を出す行為が禁じられていると説明。米ハワイ州ではビーチでの飲酒が禁止されているなどと旅先での注意点を列挙している。
団体の田中千恵子代表理事は「基準集を通じて、旅行者の訪れを楽しみに待っていられるような社会をつくりたい」と話した。