2021年3月に名古屋出入国在留管理局施設で収容中に死亡したスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=の遺族が国に損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が3日、名古屋地裁であった。国側は当時の判断は「不合理ではなかった」とするウィシュマさんの担当医の陳述書を提出。大竹敬人裁判長は同医師と専門家3人の計4人の証人尋問を実施すると決めた。

 陳述書によると、医師は入管の非常勤内科医で、21年1〜3月にウィシュマさんの診療を担当。当時体調不良の訴えや体重減少があり、原因となる疾患を調べていた。「亡くなるほどの疾患があるとは思っていなかったので、(死亡に)大変なショックを受けた」とした。