岐阜県が検討を始めている次世代型路面電車システム(LRT)構想。路線を考えるうえのポイントがいくつかあります。その一つが、既存の交通機関との競合。中でも、岐阜市と羽島市の間では、名鉄竹鼻・羽島線との関係が問題になってきます。「みのひだ乗り物探訪」で読者から募った路線案から、その解決方法を探ります。

■名鉄竹鼻・羽島線はこんな路線

 名鉄竹鼻線は、名古屋本線と接続する笠松駅から羽島市方面へ向かう路線。羽島線は、竹鼻線の江吉良駅から新羽島駅までの1駅間の路線です。新羽島駅は東海道新幹線の岐阜羽島駅と隣接しています。

名鉄竹鼻線の電車=柳津-南宿間

 竹鼻線の江吉良駅から南、羽島市南部にあった大須駅までの区間が2001年秋に廃止されてからは、竹鼻線と羽島線は事実上一つの路線となっています。

 羽島方面と名鉄岐阜駅の間は、早朝と深夜に数本の直通電車がある以外は、笠松駅での乗り換えが必要です。

 羽島市と岐阜市を結ぶLRT構想に対して、名鉄竹鼻・羽島線は競合する存在です。

岐阜羽島駅から岐阜県庁方面に至る県道=羽島市内

 新幹線岐阜羽島駅の正面から北に延びる道は、複数の県道で構成されてはいますが、そのまま進めば岐阜県庁方面に向かいます。LRTを素直に通すには最適な道。ですが、途中の羽島市北部では、名鉄竹鼻線の線路とかなり近づきます。

岐阜羽島駅から岐阜県庁方面に至る道と、名鉄竹鼻線が接近している地点(Google Earthより加工)

 LRTと竹鼻・羽島線の競合を避けるにはどうすればいいのか。読者から寄せられた案から...