自民党内で3日、石破茂首相(総裁)が当面の続投を表明したことを受け、総裁選前倒し論が拡大した。麻生太郎最高顧問は、横浜市で開いた麻生派会合で「前倒しを要求する書面に署名し、提出する」と明言した。武部新氏ら閣内の副大臣と政務官4人も前倒しへの賛成を表明。首相は2日の両院議員総会で進退に関し「しかるべき時に決断する」と踏み込んだものの、理解を得られず反発が表面化した可能性がある。臨時総裁選に必要な過半数172を巡る攻防は激化している。
党内で唯一存続し、約40人の議員を抱える派閥会長の麻生氏の発言は、賛否を決めかねている議員の判断に一定の影響を与えそうだ。一方で派閥解消の流れに逆行するとの見方もあり、党ベテランは「派閥政治の復活になる」と批判した。
麻生氏は「少数与党という厳しい状況だが、日本が再び決められない政治に戻らないよう力を尽くす」と強調。一方で「党一丸となってまい進できる体制を整えるにはどうすればいいか。一人一人が判断してほしい」と述べ、派閥として一致した行動を取る考えはないと伝えた。