太陽光発電施設の設置に歯止めをかける条例案が提出された北海道釧路市議会本会議=4日午前

 釧路湿原国立公園の周辺などで太陽光パネルの設置が相次ぐ中、北海道釧路市は4日、10キロワット以上の事業用太陽光発電施設の設置を市全域で許可制とする条例案を市議会に提出した。設置に歯止めをかけるのが狙いで、希少な野生生物の生息に重大な影響を及ぼさないよう市との事前協議を必須とし、命令に従わない場合などに事業者名を公表することも盛り込んだ。

 中村基明副市長は本会議で、条例案について「施設の適切な設置、管理に必要な手続きを定めるものだ」と説明。鶴間秀典市長は本会議後、記者団に「釧路湿原や周辺の自然を守っていきたい」と話した。

 条例案では、国の特別天然記念物タンチョウや天然記念物オジロワシなど、希少な野生生物計5種が生息している可能性が高い区域内で事業を計画する場合、事業者には市が選定した専門家の意見に基づく生息調査や保全計画の作成を義務付ける。施設の廃棄費用の積み立てなども求める。

 施行は10月1日を予定し、2026年以降に着工する事業に適用する。