日本体操協会は4日、東京都内で臨時理事会を開き、新体操で威圧的指導問題があった村田由香里強化本部長(43)の留任を決めた。選手との信頼関係に改善があったとし、8月の世界選手権での金メダル獲得も踏まえて村田氏の手腕を評価。「続投が妥当」と判断した。同選手権後の聞き取り調査で、一部選手から指導継続を望む声があったという。
練習中に怒鳴ったり、度を越した長時間練習を課したりしたことで、2月に代表選手が合宿先から脱走。協賛社がウエアから企業ロゴを外すよう求めるなど混乱が広がっていた。協会は村田氏を厳重注意とした上で続投させ、5月に体制を再編したが、サポート役に据えていた山崎浩子前強化本部長や統括役だった水鳥寿思氏はいずれも退任となった。
昨夏のパリ五輪出場を逃した日本は、8月の世界選手権で初の団体総合金メダルに輝いた。大会後に強化体制を再検証するとしていた協会は「査定会議」を設置して議論。「強化本部長のリーダーシップ」や「透明性の高い情報共有」を根拠に続投の判断に至った。