少子化や大学入試改革で今、高校を取り巻く環境は大きく変化しています。岐阜県内の高校はどう対応していこうとしているのでしょうか。岐阜新聞デジタルは各校の校長らトップにインタビュー。今回は不破高校(不破郡垂井町)の浦野善裕校長(57)。岐阜県最西にある同校は本年度からある取り組みを始めました。月に1回、水曜日の午後はなにをしてもいい、という時間にしたのです。先生と一緒にギターを弾いたり家の農作業を手伝ったり、友だちと話したり寝たり。生徒が自分で考えて行動できる力を伸ばすことを狙った取り組みだといいます。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

不破高校=不破郡垂井町宮代
 不破高校 所在地は不破郡垂井町宮代。県立全日制で単位制の普通科高校。1950年設立。1学年の定員は120人。岐阜県最西の高校で本年度の全校生徒は189人(本年度開始時点)。愛称は「ふわこう」。

 ―不破高校ならではの教育の特徴は。

 重視しているのが地域との連携だ。本校は県立ではあるが、不破郡、垂井町唯一の高校ということで、垂井町は幼稚園から高校までを子どもを育てる一つの枠組みとして捉えている。他校と比べて地域との交流が盛んだ。

浦野善裕校長。後ろはこども園の園児からの招待状

 例えば、学校近くのこども園の園児らと交流している。本校に遊びに来てくれることもあり、本校の生徒が折り紙を作って歓迎したり、校内を案内したりする。私も園児らを出迎えたり、招待状をもらったりする。

 町内の小学校1~3年生の夏休みの宿題を本校生徒が手伝う不破高校教室の開催、関ケ原町マルシェへの参加などをしている。

 探究の時間として、垂井町の洋菓子店や革製品の店のポスターを生徒が作っている。店のキャッチフレーズを考え、町内のグラフィックデザイナーにアドバイスをもらいデザインしている。町外で掲示し、垂井町に来てくれるよう呼びかける。

 うらの・よしひろ 大垣市出身。専門は保健体育。岐阜北高校教頭、県教育委員会体育健康課長などを経て本年度から現職。陸上競技の三段跳び選手だった。

 ―県内初の取り組みも始めたとか。

 本年度から「不破ウィーク」という県内初の取り組みを始めた。生徒一人一人の主体性を育むことを目的に導入した。毎月、ある1週間を「不破ウィーク」とし、時間割を特別に編成。水曜日の午後は通常授業を入れず、普段ではできない活動に取り組めるようにした。生徒が「今、自分にとって必要なこと」を考え、自分で行動を選ぶ時間だ。

 

 ―具体的にはどんなことを?

 生徒たちは教師と一緒にギターを弾いたり、保健室で一緒にティータイムを楽しんだり、部活動をする。友だちと話したり、歯医者に行ったり、...