甲子園ベスト4右腕を持ってしても失った流れは取り戻せなかった。秋季東海高校野球岐阜県大会2次トーナメント2回戦は14日、プリニーの野球場などで8試合を行い、今夏の甲子園4強の県岐阜商は、岐阜総合に4―5で敗れ、まさかの初戦敗退を喫した。優勝候補の大垣日大、中京などはともに圧勝で順当に3回戦に駒を進めた。県岐阜商は新チーム立ち上がりから、わずか19日目とは言え、躍進の最大の要因である鍛治舎イズムを礎にした打の対応力が浸透しきれず、1点が届かずに来春の選抜出場が絶望となった。

◆失った流れ、甲子園4強右腕柴田が引き戻す
今夏4強の成果を次につなげ、戦後初の甲子園制覇に向けた新たなスタートとなるべき秋季県大会の初戦。注目の先発マウンドは、ベンチ入りしていなかった1年生左腕吉川悠太だった。「練習試合での調子がすごくよかった」と起用に踏み切った藤井潤作監督の期待とは裏腹に、公式戦初登板の荷は重かった。加えて、3年の抜けた穴を埋める新戦力のミスも噴出した。

先頭を遊撃内野安打で出塁させると、次打者の犠打が二塁失策。犠打で1死二、三塁となると、岐阜総合の4番小森翔に先制適時打を浴びる。さらに二塁失策、中前打で3失点。連打を浴びて1死満塁となったところで、藤井監督は、甲子園の3回戦明豊(大分)戦、準々決勝横浜(神奈川)戦での計9回無失点の好投で一躍、脚光を浴びた2年生左腕渡辺大雅にスイッチした。
かわりばなは右飛、タッチアップ阻止の本塁刺殺の併殺とピンチを切り抜け、その裏、1年生捕手・川畑力紀の中前適時打が出たものの反撃は1点のみ。二回表には、渡辺大も岐阜総合の勢いを止められず、さらに2失点。1―5とビハインドが大きくなる中、三回表に藤井監督はエースの登板に踏み切った...