杉山道雄さんが集めた昭和の岐阜を映すマッチ箱.
「岐阜のマッチ箱からは、顔を合わせ輪になって談笑する『輪・話・和・楽』の文化を感じる」と語る杉山道雄さん=山県市高富、杉山さん宅
新岐阜駅やJR岐阜前周辺にあった喫茶店のマッチ箱コレクション

 岐阜大と岐阜市立女子短期大名誉教授の杉山道雄さん(89)=山県市高富=は、学生時代からマッチ箱を収集してきた。そのコレクションは約千種類に及ぶ。喫茶店激戦区だった新岐阜駅周辺、流行の発信地だった柳ケ瀬。パッケージデザインには「昭和」が薫る。杉山さんの思い出とともに、マッチ箱から高度経済成長期の「岐阜」をたどる。

 まずは新岐阜かいわい。杉山さんは、岐阜大農学部を卒業後に岐阜を離れたが、のちに研究者として大学に戻った。同学部は当時、各務原市那加に学舎があり、...