岐阜県が検討を進める、LRT(次世代型路面電車)を有力候補とする岐阜圏域の新たな交通システム。10月1日から3日にかけて行われた県議会の一般質問でも取り上げられ、県側の考えが示されました。ところで、LRTの国内での先進事例として、以前紹介した富山市のほかに、栃木県の宇都宮ライトレールがあります。今後、視察や取材で宇都宮を訪れる関係者や、「どんなものだろう」と観光に行く人も増えるのではないでしょうか。今回は、筆者が乗って感じた、視察や取材のポイントとなりそうな点を紹介します。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

宇都宮ライトレールは、2年前の2023年8月26日に開業。東北新幹線や東北線が発着するJR宇都宮駅近く宇都宮駅東口停留場から、宇都宮市に隣接する芳賀町の芳賀・高根沢工業団地停留場までの14.6キロの路線です。黒色と黄色の3連接車体の低床式電車が、19の停留場を結びます。
総事業費は684億円ほど。開業から2年ほどで、累計乗客数が1000万人を超える好調ぶりです。
路線を大まかに紹介すると、宇都宮市の市街地から水田地帯を経て鬼怒川を渡り、工業団地や郊外型市街地の中を突き抜けます。

■朝ラッシュは身動き取れないほど
できるだけ平時の姿を見ようと、平日の朝ラッシュの電車に乗り込みました。
宇都宮駅東口停留場は、...