熊本県にある菊池広域連合消防本部の男性係長=当時(47)=が、別部署の課長(当時)から不要な業務を押し付けられてうつ病を発症し2020年に自殺したのは、広域連合が配慮を怠ったためだとして、遺族が約1億1800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、熊本地裁は8日、上司の言動と発症、自殺の因果関係を認め約8300万円の支払いを命じた。
川崎聡子裁判長は判決理由で、課長の言動は業務上の優越的な関係を背景とし「指導として社会通念上許容される範囲を逸脱し、違法な公権力の行使だ」と指摘。男性が強い心理的負荷を受けて発症し、自殺に至ったと判断した。