奈良県立橿原考古学研究所付属博物館(同県橿原市)で、未盗掘で大量の副葬品が出土した藤ノ木古墳(同県斑鳩町)の特別展「きらびやかに送る」が開かれている。鳥形や花弁状の装飾がある「金銅製冠」や靴形の「金銅製履」など、近年の再修理を終えた国宝を展示している。11月30日まで。
藤ノ木古墳は6世紀後半の大型円墳で直径約50メートル。1985年からの発掘では金銅製の馬具や装身具、刀剣など豪華な副葬品が見つかった。出土品は発掘後の保存修理から30年以上が経過しており、研究所では2021年度から15年計画で再修理を実施。特別展では、余分なさびを取るなどした履など国宝18件を含む計65件を展示している。
会場では、出土した銅鏡のひびの拡大を防ぐためにアクリル樹脂で補強する様子など、保存科学の仕事もパネルで解説している。研究所の青柳泰介学芸課長は「藤ノ木古墳の遺物が大きくて、きらびやかであることが理解できる」と話した。
観覧料は大人千円、大学生450円、高校生や18歳未満は無料。月曜日は休館。月曜日が祝日の場合は翌日が休館となる。