岐阜県養老郡養老町の高齢女性が2023年に被害に遭った特殊詐欺事件を巡り、犯行に関わった「匿名・流動型犯罪グループ(匿流)」が、県警の2年がかりの捜査で壊滅したことが分かった。秘匿性の高い匿流による犯罪が全国で後を絶たない中、県警は、現金を受け取る「受け子」の逮捕をきっかけに、暴力団の組長を立件。特殊詐欺の被害金が上納金として暴力団の資金源になる実態が明らかになった。県警によると、匿流による事件で暴力団組長の立件までつながるケースは珍しいという。

 このグループが立件されたのは、暴力団員を首謀者とする匿流が、株式の分配金や購入代金を受け取るための各種手数料名目で現金をだまし取っていた特殊詐欺事件。県警は23年以降、...