中国・新疆ウイグル自治区の区都ウルムチ。宿泊先のホテル周辺を散策すると、歩道には等間隔にカメラが設置されていた。市街地では車道も同様で、撮影をしているのか時々光っていた。一歩外に出れば全ての行動が記録されているのだろうか―。厳重な防犯態勢は、この地域に不安定な要素があることを物語っている。

「新疆でのテロ・過激思想との闘い」に関する展示施設にはテロリストから押収 されたという武器が並んでいた=7月、中国・新疆ウイグル自治区、ウルムチ

 「確かに新疆ではテロ事案が頻発した時期があった」。自治区の外交部門・外事弁公室の徐貴相党組織書記はプレスツアー参加者との懇談会で明かした。代表的なものが2009年7月の事件。ウイグル族による当局への抗議デモが大規模な暴動となり、多数の死傷者が出た。

 徐書記は、法律に基づきテロリストを厳しく取り締まった上、専門施設を設置して、軽微犯には教育や職業訓練を施してきたと説明。「欧米メディアが報道しているような監禁や強制収容ではなく、...