「1票の格差」訴訟の判決を受け、大阪高裁前で「是正義務付合憲」などと書かれた紙を掲げる原告側の升永英俊弁護士(右)ら=24日午後
 「1票の格差」訴訟の判決で、大阪高裁に向かう升永英俊弁護士(中央)ら=24日午後

 最大格差3・13倍の「1票の格差」を是正しないまま実施された7月の参院選は違憲だとして、近畿6府県の有権者が各選挙区の選挙無効を求めた訴訟の判決で大阪高裁(川畑正文裁判長)は24日、投票価値が著しい不平等状態にあったとはいえないとして「合憲」と判断、請求を棄却した。

 二つの弁護士グループが全国14の高裁・高裁支部に起こした計16件の訴訟で最初の判決。原告側は上告する方針。

 参院選の1票の格差を巡っては、最高裁が前回判決で格差是正を「喫緊の課題」と指摘していた。

 川畑裁判長は判決理由で、合区導入により格差は約3倍まで縮小し、著しい不平等状態はひとまず解消されたと指摘。約10年間合区は維持され、前回選挙から0・1ポイント増加したものの有意な格差の拡大が生じたとまではいえないとした。

 また合区対象の県では投票率の低下が見られるなどし、国会が格差是正を進めるには方策の実効性や課題を見極めつつ、広く国民の理解も得る必要があると言及。7月参院選までに是正できなかったことはやむを得ない面があるとした。