2019年5月、宮中晩さん会で乾杯を終え、笑顔を見せるトランプ米大統領と拍手を送られる天皇、皇后両陛下=宮殿・豊明殿
 ロンドン郊外ウィンザー城で開かれた晩さん会であいさつするトランプ米大統領(中央)。右はチャールズ英国王=9月(ゲッティ=共同)

 トランプ米大統領は、多くの人から敬愛を受ける各国の皇室や王室に対する憧れを隠さない。不動産王として名をはせ、大統領に上り詰めたが、ロイヤルファミリーが持つ権威や名誉は財力や権力を使っても手に入らない。各国は王室を通じて歓待することでトランプ氏の自尊心を満たし、懐柔を図っている。

 「生涯で最高の栄誉の一つだ」。9月17日、トランプ氏は英ロンドン郊外のウィンザー城で開かれたチャールズ国王主催の晩さん会で上機嫌だった。1期目に続き2度目となった英国への国賓訪問。トランプ政権との厳しい貿易交渉を抱える英側は、異例の厚遇でもてなした。

 6月に北大西洋条約機構(NATO)首脳会議のためオランダを訪れた際には、オランダ王室の招きで王宮に宿泊した。

 日本では2017年11月、在位中だった上皇ご夫妻と面会した。19年5月には令和初の国賓として天皇、皇后両陛下と会見し、宮中晩さん会でのあいさつで「丁重なるご招待を決して忘れることはない」と発言。殊勝な態度に終始した。