首相官邸を出る高市首相=28日午前
 高市早苗首相(左)、韓国の李在明大統領

 日韓両政府は、31日から韓国で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせ、高市早苗首相と韓国の李在明大統領による初会談を30日に実施する方向で調整に入った。未来志向の日韓関係を安定的に発展させる方針を確認する見通しだ。日韓外交筋が28日、明らかにした。日本政府は、首相が30日〜11月1日の日程で訪韓すると発表した。

 会談では、首脳同士の相互往来「シャトル外交」の継続で一致する方向だ。北朝鮮による核・ミサイル開発や、ロシアとの軍事協力の進展に深刻な懸念を共有。日韓、日米韓3カ国の安全保障分野での連携を確認する。

 首相は北朝鮮による日本人拉致問題の解決への協力を要請する意向。経済安保も議題となる可能性がある。

 首相は就任前、従来行ってきた靖国神社秋季例大祭期間中の参拝を見送り、首相の歴史認識を警戒する韓国への配慮をにじませた。今月21日の就任記者会見では「韓国は重要な隣国だ。しっかり意思疎通を進めたい」と述べ、李氏との会談に意欲を示した。