岐阜市で作られているマーマレード「りすのほっぺ」が高い評価を受けています。世界最大級のコンテスト日本大会で今年、金賞2点、銀賞1点、銅賞2点を受賞しました。この大会での受賞は4年連続の快挙。全国でも高い評価を受けるマーマレード、どう作っているのでしょう。

 

  ◆国内外から2千点以上の応募

コンテストで金賞を受賞した「はっさく黒糖クローブマーマレード」(右)と「甘夏カカオマーマレード」

 大会は「第7回ダルメイン世界マーマレードアワード&フェスティバル日本大会」。英国発祥の大会といい、今年は国内外から過去最多の2115点が出品されました。

 審査は「外観・カラー」「セット・ピール」「味わい・香り」「カテゴリー適合」の4項目で行われ、30点満点中29点以上が金賞となります。ほぼ満点でないと受賞できない金賞に、「りすのほっぺ」からは「はっさく黒糖クローブマーマレード」と「甘夏カカオマーマレード」が選ばれました。

 「はっさく―」は黒糖とスパイスのクローブを合わせた深い甘味が特徴。「甘夏―」はカカオの苦味が効果的で、いずれも大人の味わいです。食べた人からは「日本酒に合いそう」との声も出ます。「りすのほっぺ」は出品した7点中、5点が入賞しました。

◆約700種を開発、サトイモやダイコンも

「りすのほっぺ」シリーズ

 「りすのほっぺ」は金華山に暮らすリスが幸せを頬張る様子をイメージしたジャム・マーマレードのオリジナルブランドです。

 大事にしているのが旬の岐阜の素材を使うこと。そのため、そのときにしかできないジャム・マーマレードが多くあります。約10年でこれまでに作ったジャム・マーマレードはなんと687種類(25年8月現在)。「一期一会のジャム」とも呼ばれています。

甘夏カカオマーマレード。下から光を当てている

 サトイモやダイコンなど個性的な素材にも挑戦します。「サトイモジャムはねっとりした不思議な味」「ダイコンジャムは梨のようで少し辛みがある」とか。イチゴジャムも「華かがり」「濃姫」「美濃娘」など品種ごとに作っています。それぞれ味や果肉の食感が違うそうです。

 担当者の澤井大輔さん(42)は「一期一会のジャム作りを大切にしている。これからも作り続けたい」と話しました。

 110グラム650円と50グラム350円の2種類があります。ネット通販や岐阜市日光町の小売店「ほとり」で販売しています。

 ◆マーマレードとは何か?

 好評の「りすのほっぺ」。作っているのは社会福祉法人いぶき福祉会の利用者です。いぶき福祉会の生活介護事業所「第二いぶき」(同市出屋敷)の専用工房で、知的障害のある男女8人がチームを組み、素材の収穫、下処理、炊き上げ、瓶詰め、タグ付け、販売、納品までを一貫して行います。それぞれが得意分野を生かして作業を担当しています。...