安倍晋三元首相銃撃事件の初公判があった奈良地裁では、厳重な警戒態勢が敷かれた。裁判所敷地内には5人以上の警察官が警備に当たり、傍聴人は法廷に入るまでに2回の厳しい検査を受けた。廷内には腕時計や財布、自前のペンも持ち込めない異例の対応となった。
奈良地裁入り口付近では金属探知機を設置して所持品を検査。さらに公判のある法廷の入り口前で、入廷しようとする傍聴人のボディーチェックが入念に行われた。通常は問題にならないバインダーも武器になり得るとして持ち込み禁止。時計や財布の他、ペンも認めず、希望者には裁判所がボールペンを貸与した。
被告の安全確保の他、小型化が進む撮影機器によって法廷内での録音や録画、撮影が行われるのを防ぐ狙いもあるとみられる。
事件への社会的な関心も高いだけに大阪拘置所から移送中の警護にも注力。地裁付近の道路では奈良県警警察官やパトカーが警戒に当たった。
奈良地裁では2023年6月、公判前整理手続きの第1回で、不審物が届いたとして県警の爆発物処理班が出動、期日が取り消されたこともある。










