1日に現役引退が発表された大相撲の元小結遠藤の北陣親方(35)=本名遠藤聖大、石川県出身、追手風部屋=が九州場所初日の9日、福岡市内で記者会見し「悔いは一切ない。本当にいっぱいいっぱいやった」と涙は見せず、約12年半の現役生活を振り返った。今後は部屋付き親方として後進を指導する。
日本大4年でアマチュア横綱に輝き、2013年春場所に幕下10枚目格付け出しで初土俵。まげが結えるようになる前のスピード出世と、端正な顔立ちで脚光を浴び、不祥事で低迷していた大相撲人気を押し上げた。「入門当時は環境が変わった戸惑いもあったが、それ以上に幸せな相撲人生だった」と感謝した。
両膝を中心に度重なる故障に苦しんだ。思い出の一番には、現役最後の取組となった今年夏場所千秋楽の朝紅龍戦を挙げた。勝って9勝目をマークしたものの「自分の体は自分が一番よく分かっている。毎日、今日が最後だと思って土俵に上がっていた。もしかしたらという思いもあった」と当時の胸中を明かした。



