「東京デフリンピック」サッカー競技開始に向け準備が進む福島県のJヴィレッジ=13日

 日本初開催の聴覚障害者の国際スポーツ大会「東京デフリンピック」は15日の開会式に先立ち、14日に福島県でのサッカーで競技が始まる。会場は、2011年の東日本大震災で東京電力福島第1原発事故の対応拠点となり、サッカー施設として再生した「Jヴィレッジ」(楢葉町、広野町)。男子13チーム、女子4チームによる熱戦が繰り広げられる。

 金メダル候補の日本は、他国の出場辞退により1次リーグの組み合わせが変わり、14日正午キックオフのA組初戦でオーストラリアと対戦することになった。13日に約1時間半の会場での非公開練習後、宿舎で取材に応じた主将の松元卓巳(あいおいニッセイ同和損保)は「(優勝を目指す)この大会の今後を左右する大事な試合。全力をかけて戦いたい」と意気込んだ。

 1997年開業のJヴィレッジは日本代表の練習でも活用されたが、原発事故後は東電社員の仮設宿舎などが建てられた。男子の斎藤登監督は、指導者資格の研修などでかつて頻繁に通ったそうで「グラウンドに重機が並ぶニュースを見た時は心が痛かった」と感慨深げに語った。