10日、送検のため兵庫県警本部を出る「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者

 死亡した竹内英明元兵庫県議への名誉毀損疑いで政治団体「NHKから国民を守る党」党首立花孝志容疑者(58)が逮捕されてから16日で1週間。県警は「竹内氏が逮捕予定だった」との発信は虚偽だとし、立証が難しい死後の被害も立件する異例の対応を取った。容疑者は生前被害の容疑は弁護士に認めたが、死後の違法性は否定。県警側は虚偽と認識していたことの立証が求められ、捜査の行方が注目される。

 竹内氏は斎藤元彦県知事の疑惑告発文書問題を検証する百条委の元委員。斎藤氏が昨年11月の知事選で再選された翌日、誹謗中傷を理由に辞職し、今年1月に死亡。自殺とみられる。容疑者は斎藤氏の応援目的で知事選に出馬し、竹内氏らを批判していた。

 逮捕容疑は「竹内氏が警察の取り調べを受けているのは多分間違いない」とする生前の発言と、「逮捕される予定だったそうです」とする死後の発信とに分けられる。

 死後の名誉毀損罪は、虚偽事実を示した上で、内容を虚偽だと認識していた場合に罪が成立し、心の内を客観的に裏付ける必要性が増す分、立証のハードルが高いとされる。