北京首都空港の日本便などを扱うカウンターで搭乗手続きをする人たち=15日(共同)

 【北京共同】中国外務省は14日夜、国民に日本訪問を当面控えるよう注意喚起した。台湾有事を巡る高市早苗首相の国会答弁への対抗措置。インバウンド需要低迷のほかビジネスや交流の停滞が懸念される。

 高市氏と中国の李強首相は南アフリカで22〜23日に開かれるG20首脳会議に出席するが、会談の実現は不透明だ。

 木原稔官房長官は15日、訪日自粛呼びかけについて「日本側の認識と相いれるものではない。立場の違いがあるからこそ、日中間の重層的な意思疎通が重要だ」と新潟市で記者団に語った。外務省の金井正彰アジア大洋州局長は在日中国大使館の施泳次席公使に適切な対応を強く求めた。

 中国の大手航空会社は15日、自粛呼びかけを受け、日本行き航空券のキャンセルや変更に無料で応じると発表した。中国のSNSには「日本に行くのをやめた」「日本製品は買わない」といった書き込みが出始めた。

 高市氏は7日の衆院予算委員会で、台湾有事を巡り「戦艦を使って、武力の行使を伴うものであれば、どう考えても存立危機事態になり得るケースだ」と発言した。