小売の人手不足軽減に — 2025国際ロボット展で披露 —
2025年11月18日
東京都立産業技術研究センター
地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター(都産技研)は、NUWAロボティクスJAPAN株式会社(本社:東京都港区)およびウォータースタンド株式会社(本社:埼玉県さいたま市)と「AIおもてなしロボットシステム(愛称:Collibot コリボ)」を開発しました。
都産技研はサービスロボットの安全運用、対話AIの応答性と正確性に係る技術支援を行い、株式会社赤ちゃん本舗(本社:大阪府大阪市)の協力のもと「アカチャンホンポ アリオ北砂店」で実証試験を実施しました。その結果、来店客からの「接客満足度85%」注1に加え、「新規会員登録者数16%増」注2という具体的な効果が確認できました。
本研究成果によって、NUWAロボティクスJAPAN株式会社による事業化(販売開始)が2026年4月に予定されています。これは都産技研の技術支援が、社会課題(小売業の人手不足)の解決と中小企業の製品化に結びついたものです。本成果は2025国際ロボット展で実店舗を模擬した都産技研ブースにてデモンストレーションを実施します。
注1:利用者アンケートによる実績値(8/20-10/31)
注2:実証実験期間(8/20-10/15)の平日で、ロボットがアプリ会員募集案内サービスを利用した日としなかった日の新規会員登録者数の比較
1. 市場背景
少子高齢化の進行に伴い、日本の生産年齢人口は減少の一途をたどっています。小売業やサービス業における深刻な人手不足を背景として、業務代替や人と共存するロボティクス技術の社会実装が急務となっています。
2. 開発のポイント
本システムは、現場の負担を増やさずに「人手不足」と「販促」の課題を同時に解決するため、以下の特徴を持ちます。
1 対話AI(RAG技術)と移動案内
生成AIの自然な会話力と、店舗独自データベースを連携させるRAG(検索拡張生成)技術を融合。正確な商品情報や売り場への移動案内など、質の高い接客をCollibotが代行します。
2 “歩き回る広告塔”(32インチ移動サイネージ)
店舗内を自律移動しながら、32インチの大型両面ディスプレイで動画と音声を再生。「動く広告塔」として能動的に来店客に働きかけ、高い訴求力を発揮します。
3 専門知識不要の「現場向け」簡単操作
店舗スタッフが専門知識なしで、巡回ルートや発話内容をグラフィカルに設定できる「NUWA RoFlow」を搭載。現場の運用負荷を大幅に低減しました。
3. 今後の予定
本システムの実機デモと、開発担当者によるご説明・ご取材対応を下記展示会にて行います。
・展示会: 2025国際ロボット展 場所:東京ビッグサイト
・会期: 2025年12月3日(水) ~ 6日(土)
・ブース: 都産技研ブース(E8-07)
本成果は、都産技研が推進する「クラウドと連携した5G・IoT・ロボット製品開発等支援事業」の公募型共同研究(実証型研究)にて、約1年間にわたり支援したものです。公募型共同研究は、都産技研が研究開発費の一部を負担するとともに、保有する技術ノウハウや実証試験の設計・評価支援などを通じて、企業の製品開発と事業化を後押ししています。










