2025年夏の甲子園ベスト4の礎を築いた県岐阜商前監督の鍛治舎巧さん。「No.1への道」と題し、アマチュア球界の第1人者である名将がチームづくり、選手育成、戦略・戦術のすべてをあますところなく公開する。

第1節 入学期
(2)指導者の姿勢

 野球と選手をこよなく愛する指導者でありたい。いつも選手たちの目の輝きを追い求める指導者であれ!! 指導者は、自らの人間性が選手に与える影響が、非常に大きいことを認識すべきだ。自分が最も好きなものが野球であれば、その影響力は、更に大きくなる。選手はよく見ている。指導者は態度や姿勢、行動について、次のような点を大切にすべきだと思う。

①研究心

 指導者には、高い視点や幅広い知識が必要である。連盟の組織や所属する団体の運営方法、選手の心身の発育・発達について、野球の技術・戦術・ルール・歴史、栄養、医学等、指導者として勉強しておかなければならないことがたくさんある。

 指導者は、常に情報を収集し蓄積する必要がある。特に、技術・戦術・ルールの指導は、いかに楽しませながら効果的な練習をさせるか、わかりやすく教えるかが大切である。

 他チーム指導者との交流、大学・社会人の練習見学は、自分自身も勉強できる。積極的に取り入れること。指導者が学ぶことをやめた時は、教えることをやめる時だと心すべし!!

②公正さ

 選手一人一人に、「自分はチームにとって必要だ」という...