ガイドRNAのデザインツールを作成

2025年11月18日
東京都立産業技術研究センター

 国産ゲノム編集技術UCAY※は、既存技術では困難な遺伝子領域に対しても編集できる特徴があります。しかし、UCAYには編集箇所を特定するためのRNA(ガイドRNA)配列のデザインツールが存在しませんでした。従来、そのデザインは経験豊富な研究者の職人技に頼っていました。

 そこで地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター(都産技研)は、株式会社ベックスと共同研究を行い、 バイオインフォマティクス技術を活用して、編集効率のよいガイドRNA候補を定量的に予測できるガイドRNAデザインツールを開発しました。本成果は、第48回日本分子生物学会にてポスター発表を行います。

※Universal CRNA-guided GE AssemblY、特許第7125727号

 

UCAYとは

 既存のゲノム編集技術は海外のものを含む複雑なライセンス体系のため、産業利用が困難な状況にありました。UCAYは国産のゲノム編集技術であり、ライセンシングが容易です。さらに、リピート領域など既存ゲノム編集技術では編集が困難な領域もターゲットにできます。こうした理由から育種などへの産業応用が期待されます。

UCAYの概要

ガイドRNAデザインツールのポイント

 二次構造を考慮して編集効率の高いガイドRNA候補を提示することで、ゲノム編集実験の低コスト化を実現できます。

 

48回日本分子生物学会にて開発技術を紹介

第48回日本分子生物学会にて、以下の通り本研究成果のポスター発表を行うほか、株式会社ベックスのブースでUCAYの紹介を予定しています。

・会期:2025年12月3日(水)~5日(金)

・会場:パシフィコ横浜

・ポスター番号:1P-031 (12/3のみ) 

・企業ブース:展示会場中央入口の左手