東京地裁=19日午後、東京・霞が関

 人気漫画をインターネット上に無断掲載する海賊版サイトへデータ配信サービスを提供したのは著作権侵害に当たるとして、出版大手4社が米国のIT企業「クラウドフレア」に計約5億600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(高橋彩裁判長)は19日、約5億円の賠償を命じた。

 原告は講談社、集英社、小学館、KADOKAWA。クラウド社はデータを一時的に複製して配信し、多くの人が利用できるようにする「コンテンツ・デリバリー・ネットワーク」(CDN)を提供している。

 訴状などによると、クラウド社は最大規模の海賊版サイトと契約し、日本国内のサーバーから「ONE PIECE(ワンピース)」「進撃の巨人」といった人気漫画を違法にデータ配信し、著作権を侵害したとしている。海賊版サイトが膨大なアクセスに対応するにはクラウド社のCDNが不可欠で、サイト運営を容易にしていると主張した。

 出版社側は2020年4月〜21年11月、クラウド社に配信をやめるよう通知したが、CDNは提供され続けた。