昨年の能登半島地震や豪雨で被災し一時休講した石川県立輪島漆芸技術研修所(輪島市)で21日、研修生16人の卒業式が開かれた。通常の卒業時期は3月だが、休講によりカリキュラムが大幅に遅れた。
卒業生は重要無形文化財保持者(人間国宝)の小森邦衛所長から証書を受け取った。小森さんは式辞で「劣悪な環境下にありながらも、真摯に漆と向き合い、ひたすら手を動かし続けた皆さんの姿勢は研修所の誇りです」と時折、涙ぐみながら話した。
卒業生で、地震による火災で実家の輪島塗工房が燃えた余門美晴さん(25)は「作業を思い通りに進めることができなかった。感謝の気持ちと希望を持って、それぞれの道に進みたい」と語った。







