岐阜県高校野球の強豪校・中京の新監督に10月末、今村陽一監督が就任した。母校の中京大中京で長年にわたり副部長、部長として指導してきた今村監督が、いかにして岐阜の中京を再生するのか。戦略やチームづくり、選手育成、抱負などについて聞いた。(聞き手・森嶋哲也。岐阜新聞デジタル独自記事です)

 ―野球との出会い、原点は。

〝甲子園基準〟に選手の意識改革を行うと抱負を語る中京・今村陽一新監督=中京高

 今村 小学校1年の時に三つ上の兄がボーイズリーグで野球を始めるタイミングで一緒に地元の新城ベアーズに入った。サードで、中学校3年時に春の全国大会に出場したが、初戦敗退だった。中京大中京で内野手、中京大に進学後、母校の学生コーチを務め、母校の指導に25年以上携わった。

 ボーイズの荒木晋二監督や高校での大藤敏行監督の野球が原点なのはもちろんだが、いろいろな指導者の方に出会わせてもらったおかげで野球観をつくり上げていった。無駄な失点を防いで少ないチャンスをものにする野球、高校野球は負けたら終わりの一本勝負なので一番に考えることは負けないこと。

 高校野球にこうすれば勝てるという必勝法はないが、こうしたら負けるという必敗法はある。それを練習からつぶしていきたい。守らなければ試合にならない、走らないと得点にならない、打てなければ盛り上がらない、盛り上がらなければ勝てない。

 ―監督になって、まず取り組むべき課題は。

 今村 「肉体改造」「打撃力アップ」「野球脳を鍛える」の三本柱で進めている。...