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アジア太平洋地域で「デジタルスレッド」導入が加速する中、レガシー環境とスキルギャップがROI実現の壁に
2025年11月26日 オーストラリア・メルボルン - HexagonのAsset Lifecycle Intelligence事業部による最新調査によると、アジア太平洋地域(APAC)の産業組織では「デジタルスレッド」技術の採用が急速に進んでいる一方で、投資利益率(ROI)の実現を妨げる根本的な課題に直面していることが明らかになりました。
調査では、APAC企業の70%がデジタルスレッドまたはデータ連携技術を頻繁または継続的に活用しており、その採用率は米国を上回り、欧州に迫る水準となっています。しかし、54%の経営層が「デジタル変革の取り組みは期待したROIをまだ実現していない」と回答。依然としてレガシーシステムや手作業プロセス、人材のスキル不足といった課題が足かせになっています。
地域特有の課題がデジタル変革の複雑さを浮き彫りに
本調査は、アジア太平洋地域における資産集約型産業が、デジタル変革の過程で直面する地域特有の課題と傾向を明らかにしています。
オーストラリア:鉱業、エネルギー、公益などの分野で規制による推進力がある一方、レガシーシステムや地理的分散による統合の難しさが課題。
日本:精密製造や予知保全の分野で先行するが、システム間の分断がコンプライアンス対応を難しくしている。
韓国:スマートインフラへの投資が活発だが、プラットフォームの断片化やデータローカライゼーション法によりサイバーセキュリティリスクが高まっている。
東南アジア:デジタルインフラ整備が急速に進む一方で、人材不足やサイバーセキュリティ体制の未成熟が進展を遅らせている。
デジタルツールの導入が進む一方で、依然として多くの企業が課題を抱えています。
回答企業の75%が「スキルや知識の不足」を主要な障壁とし、70%が「手作業の多さ」による遅延やリスク増大を指摘。さらに66%が「サイバーセキュリティ」を最重要課題と回答しており、これは世界平均を大きく上回ります。
依然残る紙ベースの業務
デジタル化が進む中でも、APAC企業の67%が紙ベースの情報に依存しており、生産性の低下だけでなく、安全性・追跡性・コンプライアンスのリスクも増大させています。
「デジタルスレッド技術はエンドツーエンドの可視化を可能にしますが、統合プラットフォーム、スキルのあるチーム、そしてクリーンなデータがなければ十分な成果は得られません。AIの性能は処理するデータの品質に左右されます。標準化され整備されたデータ基盤がなければ、どんな高度なAIツールでも力を発揮できません。」
Hexagon Asset Lifecycle Intelligence 事業部 APAC担当 シニアバイスプレジデント Fabio Yada
APAC地域ではすでに69%のリーダーがデジタルスレッド技術を導入しており、レガシーの壁を克服し、堅牢なデジタル基盤を構築できれば、次の産業変革をリードするポジションにあるといえます。
Hexagon ABは、アセットライフサイクルインテリジェンス部門を含む複数の事業を、新たな独立系ソフトウェア企業「Octave」へ移行し、2026年前半に米国証券市場への上場を予定しています。Octaveは、データを実用的なインテリジェンスへと変換し、産業界および公共部門の設計・建設・運用・保護を支援することを目指します
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Hexagon’s Asset Lifecycle Intelligence 事業部 は、産業施設の設計・建設・運用における効率性、安全性、持続可能性の向上を支援しています。私たちは、お客様がデータを解き放ち、産業プロジェクトの近代化とデジタル化を加速させ、生産性を高め、持続可能性の針を進める支援をします。
Hexagon (Nasdaq Stockholm: HEXA B) は世界50カ国に約24,800人の従業員を擁し、純売上高は約54億ユーロです。 詳細はhexagon.comをご覧ください。









