自動化により病理標本作製の作業効率を向上

2025年11月26日
サクラファインテックジャパン株式会社

 病理のトータルソリューションプロバイダー、サクラファインテックジャパン株式会社(本社:東京都中央区、取締役社長:恩田和人)は、病理標本の作製に用いる全自動包埋装置「ティシュー・テック オートテック® a120」(以下、a120)を、11月29日に日本国内で発売します。

                                   

 がん患者の増加や高齢化、個別化医療の進展により検査件数が増加しています。さらに医療機関の働き方改革による労働時間の短縮が進んでおり、病理診断における標本の品質を維持しつつ、標本作製の業務の効率化が求められています。

全自動包埋装置「ティシュー・テック オートテック® a120」

 

 このたび発売するa120は、病理標本作製における「包埋(ほうまい)」の工程を連続自動処理できる装置です。包埋は、組織検体を薄く切る工程(薄切)の準備として、組織をパラフィン中に埋め固めてブロックを作る工程です。これまで包埋作業は、一つひとつのブロックを手作業で作る必要がありました。a120では、この包埋作業を自動化することにより、1時間あたり最大120ブロックを作製することが可能です。また、カセットの周りに付着したパラフィンを落とす「バリ取り」と呼ばれる作業も不要となり、作業負担をさらに軽減します。連続自動処理による作業効率化に加え、安定した品質のブロックを作製することができます。a120は検体を固定することのできる「ティシュー・テック® パラフォーム セクショナブルカセットシステム」と組み合わせて使用することで、検体紛失のリスク低減にもつなげることができます。

 

 a120は欧米やアジアで先行して販売しており、導入した医療機関や研究施設では、自動化による標準化およびワークフローの改善において高い評価を得てまいりました。このたび国内販売の開始により、日本の病理診断の現場における業務効率の向上、診断の質の更なる向上に貢献してまいります。今後は、全国の主要病院・検査センターへの導入拡大を目指します。

 

 サクラファインテックジャパンは、病理のトータルソリューションプロバイダーとして、病理標本作製からデジタルパソロジーまでトータルサポートを行い、最適な製品、試薬、サービスをフルパッケージで提供します。

 

*a120は、2025年11月29・30日に広島国際会議場・広島市文化交流会館で開催される「第64回 日本臨床細胞学会秋期大会」にて展示予定です。

 

■Sakura Finetek Group Mission

クラス最高のイノベーション、品質およびお客さまへの配慮を通じて、病理と患者さまのための一体化されたソリューション(商品、アプリケーション、サービス)を提供することで、がん診断を進展させる

 

■商品仕様

一般的名称:検体前処理装置

販売名:ティシュー・テック オートテック® エー120

製造販売届出番号:20B2X00014000030

医療機器分類:一般医療機器 特定保守管理医療機器

本体寸法:1,200(W)×750(D)×1,750(H)mm

本体質量:約530kg

発売日:2025年11月29日(土)

製造販売業者:サクラ精機株式会社

使用目的:病理標本作製時における組織のパラフィン包埋

(連続自動処理)

処理能力:最大120ブロック/1時間

発売地域:日本(米国・欧州・アジアパシフィックで先行販売)

                 

関連商品:ティシュー・テック® パラフォーム セクショナブルカセットシステム(a120と同時発売)

a120と組み合わせて使用することで、包埋プロセスを自動化し、効率的に処理を行うために設計されたカセットシステムです。フレームとカセットで構成され、オリエンテーションゲルやパラフォームインサートをオプションで使用することにより、検体紛失のリスク低減にもつなげることができます。

 

 

【サクラファインテックジャパン株式会社について】

サクラファインテックジャパン株式会社は、サクラグローバルホールディング株式会社(代表取締役会長:松本謙一)の傘下企業で、病理学的検査における機器、消耗品、試薬の専門メーカーです。医療における検査の中でも、最終診断といわれる重要な役割を担う病理学的検査において、さまざまな貢献を実現しております。