古都に年の瀬の訪れを告げる歌舞伎公演「吉例顔見世興行」が1日、京都市東山区の南座で初日を迎えた。今年東京から始まった八代目尾上菊五郎さんと長男の六代目尾上菊之助さんの襲名披露公演でもあり、菊五郎さんは映画「国宝」に登場した女形舞踊の代表演目「鷺娘」を披露し、力強い舞で観客を魅了した。

 これに先立つ演目「玉兎」では、菊之助さんが軽快な踊りで場内を沸かせた。公演は昼と夜の2部構成で、南座によると初日の昼は「満員御礼」、夜もほぼ満席。25日までで、9、17日は休演。

 顔見世興行は、劇場と役者が年間契約していた江戸時代、役者たちを披露する場を「顔見世」と呼んだことが始まりとされる。