地方税収に占める東京都の割合

 政府、与党は、地方税収が東京都に集中しているとして、地方法人課税と土地の固定資産税について、新たな偏在是正策を導入する方向で調整に入った。東京と地方で、行政サービスの格差が拡大していると判断した。地方法人課税は、税収の一部を譲与税として自治体間で再分配する現行の仕組みの拡充などを想定。そうした制度がない固定資産税は、再分配を含めた新たな仕組みを検討する見通しだ。関係者が3日、明らかにした。

 年内に策定する2026年度の与党税制改正大綱に方針を盛り込む。具体的な制度設計には時間がかかるため26年も議論を続け、次の27年度税制改正大綱に盛り込む公算が大きい。

 総務省によると、23年度の地方税収計45兆7千億円に占める東京都の割合は、17・6%の8兆円。税目別で見ると、地方法人課税(全国計9兆1千億円)は、譲与税による再分配後も22・5%、土地の固定資産税(同3兆6千億円)は25・1%が東京都に入っている。

 東京都は、子どもの医療費助成など住民へのサービス拡大を続けており、他の道府県との格差が生じている。