「ちきゅう」が掘削した場所

 東日本大震災で巨大津波を引き起こした東北沖の日本海溝近くの海底を掘削し試料を解析した結果、プレート境界断層の粘土鉱物が原因でプレートが大きく滑ったことが分かったと、海洋研究開発機構や筑波大の国際チームが18日付米科学誌サイエンスに発表した。

 海側の太平洋プレートが陸側の北米プレートに沈み込む日本海溝で発生した大震災では、海溝が浅い部分も含めて50メートル滑り、巨大な津波を引き起こした。

 チームは昨年、地球深部探査船「ちきゅう」で、宮城県沖約220キロの日本海溝近くの海底を800メートル超掘削。複数の地点を調べ、太平洋プレートに比べて北米プレートは密度が高く硬い岩石でできていることや、プレート間の断層に摩擦力が低い粘土鉱物が豊富に含まれていることが判明した。岩石の性質が異なる場所は力をかけると壊れやすく、断層ができやすいという。

 日本海溝西側で今回と2012年に掘削した地点はほぼ100メートルの直線上に並んでおり、断層の位置は南西端と北東端で低く、中央部で高くなっていた。高低差は15メートルだった。