学生や教職員向けに生理・PMSに伴う目に見えない症状について考え、体感する機会を提供

2025年12月22日
株式会社ツムラ

 

 

ツムラ #OneMoreChoice プロジェクト 東京科学大学共催イベント 『見えない不調を科学する~生理痛・PMSの実態~』開催レポート

学生や教職員向けに生理・PMSに伴う目に見えない症状について 考え、体感する機会を提供 来場した学生らからは「生理・PMSのつらさを理解したい」 「自分が知ろうとしていなかったことを知った」という声も。

 

 株式会社ツムラ(本社:東京都港区、代表取締役社長CEO:加藤照和、以下ツムラ)は、2021年に「#OneMoreChoice プロジェクト」を発足し、生理のつらさを我慢しなくていい社会を目指して活動しています。その一環として、国立大学法人東京科学大学(Science Tokyo)と共に、生理・PMSをテーマとしたイベント『見えない不調を科学する~生理痛・PMSの実態~』を2025年11月12日(水)、東京科学大学 大岡山キャンパス Taki Plaza B2F ワークショップルーム(東京都目黒区)にて開催しました。

 


イベントポスター

 

来場者の様子

 

<開催の背景>

 本イベントは、男子学生比率が高い東京科学大学が、学生や教職員全体への生理・PMSに伴う症状やつらさへの理解向上と共に、多様な背景や視点への尊重を深めることにより、ジェンダーの理解促進を目的として企画されました。開催に当たり、当社が2025年7月に東京・丸の内で開催した、生理・PMSをテーマとした企画展『違いを知ることからはじめよう展』に東京科学大学のご担当者が来場され、これをきっかけに共催が実現しました。

 

<展示内容>

 会場となった大岡山キャンパスのワークショップルームには、同企画展で使用した「生理に関する意識と実態調査」※1 の調査結果の紹介に加え、さまざまな展示※2を再現しました。

展示コンテンツ(企画展『違いを知ることからはじめよう展』の一部)

>立場や環境の異なる人たちが抱えるつらさをそれぞれの視点で描いた「心の声が読めるマンガ」

>「生理・PMSの症状によって『いつも通りにいかない』状態を疑似体験できる部屋」から、

 ・生理・PMSに伴う倦怠感・だるさによる影響を表現した「身体が重だるくて起き上がることが難しいベッド」「倦怠感ですこし歩くのも疲れるコート」

 ・生理・PMSの症状に伴う集中力低下による影響を表現した「頑張りたいのに集中できないパソコン」

>生理周期(約1カ月)の中で、ホルモンの変動によって、自分ではコントロールしづらい精神的な症状の変化を“波”として表現した「こころの波」

 

 また、イベント会場には、東京科学大学の学生が準備した生理周期に伴う不調を共有した「生理にまつわる不調」、生活の中で困った経験をシェアした「生理にまつわる困りごと」、生理のときに自分でしていることや誰かにしてもらった経験を書き出した「生理のときにあるといいこと、助かったこと」のパネルや、生理痛VR体験装置「ピリオノイド」体験コーナーも用意されました。企画に携わった学生たちが当日も会場運営を担い、来場者と積極的に関わろうとする姿勢が印象的でした。

 

『違いを知ることからはじめよう展』を再現した会場の様子

 

東京科学大学の学生によるパネル展示

 

「知る機会がなかった」生理・PMSに伴う症状について考えるきっかけに

 イベントには、学生や教職員が多数来場。パネル展示を熱心に見る来場者は、生理・PMSについて知ろうとする姿が見受けられました。「男子学生が多いため、女性ならではの不調に対してどのような配慮が必要なのか知りたくて来た」と話す男性職員や、「体調が悪そうな女子学生に何と声をかけたらいいのか分からない」と気にかけているものの対応の仕方に迷いを感じている学生など、多くの来場がありました。来場者からは、さまざまな質問や感想が寄せられました。

 

パネル展示に足を止める来場者

 

▼寄せられた質問(一部)

「生理は何年間続くのか?」(男子学生)

「どうしてさまざまな症状が起こるのか?」(男子学生)

「生理・PMSに伴う倦怠感は、風邪のときの症状とは違うのか?」(男子学生)

「生理・PMSに伴う症状でつらい人には、どんな声掛けをしたらいいのか?」(男子学生)

 

 ▼展示を通して寄せられた感想(一部)

「(「倦怠感ですこし歩くのも疲れるコート」を着用し)倦怠感を感じながら通学をしたり、授業を受けたりするのは、無理だと思った」(男子学生)

「(「心の声が読めるマンガ」を見て)自分もマンガと同様に、パートナーへの対応で迷うことがある。パートナーの様子がいつもと違うとき、どんな対応を望んでいるのか、今度話してみようと思った」(男子学生)

「痛みだけを知るのではなく、生理・PMSに伴う症状で日常にどのような影響があるのかを知ることが大事だと思った。自分も体調が悪いときに、周りに理解してもらえず、つらい思いをしたことがある。性別問わず、相手を思いやり、声をかけたりすることで、体調が悪いときに救われることがあると思う。優しい社会が広がってほしい」(男子学生)

「このイベントを通して、女性にどのような不調があるのか理解することができた。ここで学んだことを、実際の運用の中でどのように生かしていけるのか、これから職員みんなで考えていきたい」(男性職員)

 


会場・来場者の様子

 

来場者に説明する学生の様子

 

東京科学大学様からのコメント

伊東 幸子先生 (東京科学大学 副学長(学生支援担当)/学生支援センター長)

 本イベントは、株式会社ツムラ様と東京科学大学(学生支援センター、社会連携・DE&I本部 DE&I部門、アントレプレナーシップ教育機構)の共催で開催いたしました。現役女子学生柳瀬梨紗子さんの「Science Tokyoに、生理についてフラットに話せる環境を作るためのイベントをしたい」という発案に、他の女子学生達や女性教職員が賛同したことがきっかけで、本イベントの企画がスタートいたしました。

 Science Tokyoの母体の1つである旧東京工業大学は、歴史的に学生・教職員ともに女性比率が低く、生理に代表される女性の身体に関わる困りごとについて、当事者が声をあげにくく、かつ、周囲も正しい知識を持っているとはいいがたい状況が続いております。男性が多い組織であるからこそ、このイベントが、構成員全員が生理やPMSについて正しい知識を持ち温かい配慮ができる環境となるきっかけになることを願っています。実際に、理事長をはじめとする男女の役員、想定以上に多くの男子学生や教職員がイベント会場に足を運んでくれ、この問題に対する関心の高さと反応の大きさを実感しました。この試みが単発のイベントで終わらないよう、医師による身体ケア講演会の開催など「いつもの大学をより頼れる場所に」を実現できるよう、ひいては社会を少しでも優しくするという社会課題に貢献できるよう、継続的な取り組みを行っていく予定です。

 

柳瀬 梨紗子さん(東京科学大学 環境・社会理工学院 修士課程2年)

 本イベントの企画にあたり、私が最も大切にしたのは「生理についてフラットに話せる環境づくり」です。今回着目した生理は女性の身体に起こる現象であり、場合によっては女性が男性に一方的に話をするイベントにもなり得ました。しかし1人の女性として私は、自分が思いもよらない部分に疑問を抱く男性が予想以上に多いと感じており、イベントではとにかく参加者がフラットに対話・議論できる場をつくりたいと考えました。

 生理に限らずに言えば体調不良は誰にでも起こることで、日常生活の中では我慢せざるを得ないタイミングもあるかもしれません。しかしフラットに話せる環境があれば、その我慢を少しでも軽くできると期待しています。

 本イベントは本学で前例がなかったこともあり、開催前は不安な日々を過ごしました。しかし当日の会場は開始から終了まで絶えず賑わっており、体験・見学後に直接質問をいただくこともありました。予想以上の反響をいただき、非常に光栄です。

 開催にあたりご協力いただいた株式会社ツムラ様、教職員・学生の皆様、またイベントにご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。

 本イベントがきっかけとなって、少しでも身体の不調を周りに伝えるハードルが下がることを願っています。

 

対話を通じて深まった、生理・PMSへの気付きと共感

 イベントの最後には、本イベントを企画した担当者と学生が展示を通して感じたこと等をディスカッションする時間も設けられ、意見が活発に行き交い、生理・PMSへの理解が一層深まったようです。以下のような感想がアンケートに寄せられました。

「実際に生理の方がどのような気持ちなのかを少しだけ理解することができたように思う」

「男女関係なく、つらさをシェアできるようになるといいな」

「抑うつや不安などの精神面の症状も不調としてあらわれることを知らなかった」

「何も知らないという状態から、知ることができたというのは大きいと思った」

「知らないことばかりだった。自分が知ろうともしていなかったことを知った」

「生理・PMSのつらさを少しでも理解していきたいと思った」

「つらい思いをしている人に、寄り添ってあげられるようになりたいと思った」

 

<『見えない不調を科学する~生理痛・PMSの実態~』開催概要>

開催日時:2025年11月12日(水)14:30〜17:30

開催場所:東京科学大学 大岡山キャンパス Taki Plaza B2F ワークショップルーム

共催:国立大学法人東京科学大学(学生支援センター/社会連携・DE&I本部DE&I部門/アントレプレナーシップ教育機構)/株式会社ツムラ

協力:株式会社リンケージ

URL: https://www.isct.ac.jp/ja/news/vkbavf07fn9x

 

 

OneMoreChoice プロジェクトとは

 #OneMoreChoice プロジェクトは、「生理のつらさを、我慢しなくていい社会へ。」をステートメ

ントに掲げ、創業から130年以上にわたり女性の健康に寄り添ってきたツムラが健やかな社会を目指して、2021年から取り組んでいるプロジェクトです。

 プロジェクトスタート以来、「隠れ我慢」という多くの人々が抱えている問題を調査により浮き彫りにし、我慢に代わる選択ができるようなアクションを提案し続けてきました。

 不調の際に休む、働き方を変える、誰かに相談する、など、我慢以外の選択肢(=OneMoreChoice)をとれるようになり、一人ひとりが、そして組織やコミュニティが、生理やPMSを正しく理解し行動するきっかけをつくり続けています。

https://www.tsumura.co.jp/onemorechoice/

 

<プロジェクトステートメント>


「生理のつらさを、我慢しなくていい社会へ。」

誰にも迷惑をかけたくない。周りの人に言い出しにくい。そんな理由から、「生理痛・PMSを我慢せざるを得ない」人たちの力になりたい。ひとつひとつの問題に向き合い、誰もが我慢しなくていい社会をめざして、漢方のツムラが取り組んでいきます。

<プロジェクトロゴ>

 

※1:「生理に関する意識と実態調査」

   https://www.tsumura.co.jp/news/topics/item/20250709.pdf

※2:企画展『違いを知ることから始めよう展』リリース

   https://www.tsumura.co.jp/news/newsrelease/item/20250709.pdf

   企画展『違いを知ることから始めよう展』開催レポート

   https://www.tsumura.co.jp/news/newsrelease/item/20250806.pdf

   『違いを知ることからはじめよう展』特設サイト

   https://www.tsumura.co.jp/onemorechoice/chigai-ten/

   Web展示『違いを知ることからはじめよう展」

   https://www.tsumura.co.jp/onemorechoice/chigai-ten-web/