本紙連載小説「サチコ」は26日で終了し、早見俊さん=岐阜市出身=の「土岐の碑(いしぶみ)」が始まる。物語の歴史背景を解説するプロローグが27日、本編は来年1月1日にスタートする。初代美濃守護の土岐頼貞(よりさだ)から頼遠(よりとお)、頼康(よりやす)までの3代を中心に描く早見さんに、連載の構想を聞いた。
◆元寇後に不満
―小説の時代背景と土岐氏について。
土岐氏は光衡の代、源頼朝の挙兵に参加した功により、美濃国土岐郡を所領として安堵(あんど)されて土着、以後は「土岐」の苗(みょう)字を名乗る。代を経るにつれ、鎌倉幕府の有力御家人になっていく。御家人は「御恩」と「奉公」によって将軍と主従関係を結んだ。御家人は将軍から土地の所有を保証されたり、新領を給付される「御恩(ごおん)」に報いるために、軍役、警備などの奉仕をする「奉公」を尽くした。「一所懸命」という言葉通り、御家人は父祖伝来の土地を命懸けで守っていた。
ただし、日本全国の土地全てが鎌倉幕府管轄下にあるわけではなく、...










