地下駐車場浸水被害の再発防止策などを検討する有識者委員会の会合=24日午前、津市

 記録的な大雨で、車両274台が浸水被害に遭った三重県四日市市の地下駐車場「くすの木パーキング」を一部所有する国は24日、被害車両の所有者全員に一定額の金銭を支払うと明らかにした。津市で開かれた再発防止策を検討する有識者委員会後、記者会見で説明した。

 国土交通省三重河川国道事務所によると、駐車場の国所有部分にある止水板の故障が被害拡大の一因になったとの指摘を踏まえた。国に管理を委託された民間業者「TFI」が2021年、国交省に故障を報告したが、対応は取られなかった。

 大吉雄人所長は「被害者の経済的負担を軽減するためで、補償金と同様の位置づけだ。確定的に賠償責任があるとは認めていない」と述べた。来年1月に所有者への説明会を開き、具体的な金額などを示すという。

 また、有識者委は同日、再発防止策の最終案を取りまとめた。急な雨への対応は人力では限界があるとし、止水板の自動化や浸水センサーの配備、利用者に避難を呼びかけるプッシュ型通知の導入などが盛り込まれた。