がんで死亡した姉の事実婚の夫が、遺産の相続権を持たないにもかかわらず姉名義の口座から1750万円を不当に引き出したとして、妹が返還を求めた訴訟の控訴審判決で大阪高裁(谷口安史裁判長)は16日、一審神戸地裁判決に続き全額の返還を命じ、事実婚夫婦の遺産相続を認めない判断をした。
夫側は夫婦別姓を希望したため事実婚を選択せざるを得ず、法律婚の夫婦が死別した場合と同じ財産分与規定を適用すべきだと主張し、控訴していた。
昨年2月の一審判決によると、姉は大東文化大の教授で、夫婦別姓を希望し、1991年に夫と事実婚関係を結んだ。2020年12月に膵臓がんと診断され、21年1月に死亡した。夫側はがんを告知された姉が残した自筆の遺言書に預金を妹と夫に2分の1ずつ承継させることが記載されていたとして、相続権があると主張した。
一審判決は、文書には遺言要件である押印がなく、具体的な遺産の分割方法も記載されていないため無効と判断。法律婚の夫婦と同じ財産分与規定は適用されないと判断した。






