~天候と日中に縛られる家事から自分の生活リズムにとりこめる家事へと変容~
2026年1月21日
積水ハウス株式会社
積水ハウス株式会社の住生活研究では、暮らしにおける「幸せ」のさらなる追求のため、「住めば住むほど幸せ住まい」研究の一環として、生活の基本となる4つの生理的活動「食」「睡眠」「浴」「トイレ」と、6つの義務的活動「衣家事」「掃除」「収納」「身だしなみ」「子育て」「介護」の基本生活要素、1つの生産的活動「働き方」を10年ごとに調査し、変化する暮らしの姿から住まいの在り方を探求する「生活定点調査」を行っています。
このたび、全国25~74歳の男女を対象に<衣家事*>に関する2回目の調査を実施しました。コロナ禍を経て世の中の仕組みや働き方が変化した中で、<衣家事>のトレンドがどのように推移したのか、2015年と2025年の10年比較の調査結果を発表します。
*衣類を対象とした、洗濯、干す、お手入れ、たたむ、しまうといった家事
| ~10年前から変化した衣家事のトレンド TOPICS~ TOPIC1:<洗濯物を干す場所(晴れの日)>若年層やフルタイム共働き世帯を中心に室内干しが前提の時代に TOPIC2:<衣家事にとりかかる時間帯(平日)>分散の傾向。生活リズムに合わせた衣家事が進む TOPIC3:<衣家事の頻度>こまめにパパッと。洗濯の頻度は増加するもアイロンなどの付加工程は減少 TOPIC4:<分け洗いの実態>分け洗いの意識が減少。すべての衣類を一緒に洗濯が主流に TOPIC5:<衣家事への関与度>まだまだ女性中心。男性の意識に変化が見られるも小中学生のお手伝いが激減 TOPIC6:<衣家事への意識>衣家事は頻度も高く負担が大きい。家族で協力しながら行いたい人が増加 |
TOPICSの説明後、10年前と現在の調査結果の比較から導き出した衣家事のトレンドを踏まえ、積水ハウスの“衣家事をより快適にするための住まい”のご提案をご紹介します。
TOPIC1:<洗濯物を干す場所(晴れの日)>若年層やフルタイム共働き世帯を中心に室内干しが前提の時代に
晴れの日に洗濯物を干す場所について10年前の調査と比較したところ、「室内のみ」がほとんどの世代において約2倍に上昇しました。特に若年層になるにつれ、その傾向が顕著に現れ、「アラサー世代(25~34歳)」と「アラフォー世代(35~44歳)」の約半数は、晴れの日でも室内干しをすることが分かりました。また、「全世代のフルタイム共働き世帯」の回答を集計したところ、ほぼ半数となる47.6%の人たちが晴れの日でも室内で洗濯物を干していることが判明しました。
そのため、晴れの日でも、「バルコニー・ベランダ・屋上」「庭・テラス」といった屋外で洗濯物を干すことが大幅に減少している結果となりました。一方で、「リビング」「ダイニング」「洗面室・脱衣室・洗面脱衣室」といった室内の様々な場所で室内干しが増えており、それに伴って「電動物干し竿」の所有率も約2倍となる25.7%と増加し、「天井や壁に固定されている室内物干し」は約半数近くの人が設置していることが分かりました。
また、「洗濯物は日光で乾かしたい」という意識が10年前と比べて約10ポイント減少したことからも、室内干しが増えている兆候が見て取れます。それ以外の理由としては、外に干すことで、「花粉」「虫」「黄砂」「砂ぼこり」などの影響を気にする人が増加していることも挙げられます。天候に左右されない上、屋外干しによる外気の汚れなどを気にする必要がない室内干しが支持されてきている結果となりました。
TOPIC2:<衣家事にとりかかる時間帯(平日)>分散の傾向。生活リズムに合わせた衣家事が進む
衣家事にとりかかる時間帯(平日)の調査では、「洗濯機をまわす」時間帯について、「朝」と答えた人が約4ポイント減少し、「夜」と答えた人が約5ポイント増加する結果となりました。「洗濯物をとりこむ・たたむ・しまう」時間帯についても、「夕方」が減少し、「朝から午後にかけた早い時間帯」に分散している傾向があります。日中にメインに行われていた衣家事が、それぞれの生活リズムに合わせた時間帯で行われてきていることが読み取れます。
TOPIC3:<衣家事の頻度>こまめにパパッと。洗濯の頻度は増加するもアイロンなどの付加工程は減少
「洗濯機をまわす」「洗濯物を干す」といった「洗濯の基本工程の頻度」は10年前と比較して増加したことが分かりました。「毎日複数回」「週4回~毎日」の頻度で洗濯を行う人の割合が全体的に増加した一方、「週2回~週3回」「週1回」と答えた人の割合は減少しました。
しかし、アイロンをかけるといった「付加工程の頻度」は「月1回以下」もしくは「家ではだれもこの家事をしない」が約12ポイント上昇し53.9%となりました。このことから、洗濯は高頻度で行う反面、付加工程については行わない、こまめにパパッと衣家事を実施する傾向が見られます。
TOPIC4:<分け洗いの実態>分け洗いの意識が減少。すべての衣類を一緒に洗濯が主流に
分け洗いの実態について調査したところ、分け洗いを行っている人は約10ポイント減の39.7%となりました。10年前は半数の人が行っていた分け洗いですが、現在は分け洗いの工程を省き、すべての衣類をまとめて一緒に洗濯することが主流になっています。
「分け洗いはするべきだ」という意識も半数以下に落ちこみ、10年前に比べて重要視されていないことがうかがえます。さらに、「ニットなどのおしゃれ着も家で洗える衣類を買う、買うことが増えた」人が55.3%、「アイロン不要の衣類を買うようにしている、買うことが増えた」人が62.4%という結果となり、洗濯のしやすさを視野にいれた衣類選びが行われていることも分かりました。
具体的な分け洗いの実施内容についての調査でも、「ドライ・手洗い対応のものを分けている」人が約18ポイント減の40.4%に、「色柄物を分けている」人は約8ポイント減の29.9%と全体的に減少しており、衣類に合わせた分け洗いが行われなくなってきていることが確認できます。
TOPIC5:<衣家事への関与度>まだまだ女性中心。男性の意識に変化が見られるも小中学生のお手伝いが激減
夫婦間での衣家事の関与度について、「衣家事全体を担当する中心人物である」「自分のものなど、衣家事を部分的に担当している」といった、衣家事に主体的に関わっていると意識している人の割合は、既婚男性は26.6%、既婚女性は91.3%と、圧倒的に女性が衣家事を担っていることが分かりました。しかし、既婚男性については、10年前と比較すると約8ポイント上昇しており、徐々にではありますが衣家事への主体意識に変化が見られます。
一方で、小学生・中学生の子どもの衣家事の参加率が全体的に減少しています。特に、「洗濯物をとりこむ・たたむ・しまう」という工程に関しては、10~20ポイント大幅に減少するなど、親に衣家事を任せている傾向が見られます。
しかし、高校生以降は衣家事への参加率が変化し、「洗濯物を干す・とりこむ」工程を10年前と比較してみても大幅に上昇しているのが分かります。室内干しが増えたことで手伝いがよりしやすくなったことが要因の一つとして考えられます。
TOPIC6:<衣家事への意識>衣家事は頻度も高く負担が大きい。家族で協力しながら行いたい人が増加
衣家事に関わる生活意識として、「衣家事は効率よく早く終わらせたい」という意識に変化はなかったものの、「衣家事は家族で協力するべきだ」と考えている人は5ポイント増の70.4%に上昇しました。一方で、「衣家事は楽しい」と感じている人が約6ポイント減の33.3%という結果となりました。
●住生活研究をはじめとする住まいの専門家による“衣家事をより快適にするための住まい”のご提案
10年前と比較した今回の衣家事調査では、晴れた日でも室内干しをする人が増加し、特に若年層やフルタイム共働き世帯は半数以上という結果でした。また、洗濯する時間も、朝が減少し夜が増加するなど、衣家事の時間帯が分散していることも分かりました。今や衣家事は、天候の制約を受けず、ライフスタイルに沿った時間帯で実施できる家事となっています。
積水ハウスでは、衣家事をスムーズに進めるための空間設計や暮らしの工夫をご提案しています。今回は、「室内干し」について、負担軽減につながるような新たなスペースや動線の提案、効果的な空間づくりなどをご紹介します。
1)こまめに洗濯する時代、衣家事はもっと気軽に
コロナ禍を経て、洗濯・乾燥機の使用頻度は増加しました。これは、除菌を含む衛生意識の高まりも反映していると考えられます。洗濯・乾燥機はここ10年でAI化・多機能化が進み、少量から大容量まで一度に洗えるほか、コース分け機能で丁寧な洗濯も可能になりました。さらに、操作性が向上し、子どもでも扱える簡単な家電へと進化しています。
衣家事まわりの空間をより快適に整えることで、家族みんなで楽しくとりくめるようになります。毎日のように、場合によっては一日に何度も行う衣家事だからこそ、洗濯・乾燥機置き場の環境は重要です。従来は水回りに近い洗面室や脱衣室など、日差しの入らない裏空間に配置されることが多く、湿気や部屋の暗さで仕上がりが気になることも。
家族人数が多く洗濯頻度の高いご家庭こそ、明るい陽射しの入る空間への設置を検討してみませんか。理想としては、窓の近くや屋外への出入りが可能な「衣家事専用室」を設けること。専用室なら、時間や音、視線を気にせずに洗濯や室内干しがしやすく、衣類収納も備えれば「洗う・干す・しまう」の最短動線が完成します。
2)洗濯・乾燥機収納の採用
洗濯・乾燥機を、まるで収納家具のようにすっきり隠す設置方法があります。専用の室内干しスペースを設けるのが理想的ですが、それが難しい場合は、 キッチンに隣接した空間や、2階ホール、廊下の一角などに「洗濯コーナー」を設けるのも一案です。さらに、その空間にはちょっとしたテーブルや椅子、ベンチなど、くつろげる家具を配置することで、衣家事をより快適に行える環境が整いますよ。
3)泥汚れや汚物洗いに大助かり「スロップシンク」
子どもの乳幼児期や運動汚れの多い児童期、家族の高齢期などで、とても役立つお助け設備が「スロップシンク」です。泥つきのものの洗浄、上履き、運動靴、汚物洗いができる、深さのある専用シンクです。水撥ねが少なく、付け置き洗いも簡単です。汚れの強い洗い物の場所を、顔や歯磨きに使う洗面ボウルと分けることで、暮らしをより衛生的に保つことができます。庭やバルコニーなどの屋外に設けると、菜園や植木の水やりやメンテナンス、BBQ道具の洗いにも使えますよ。
ここ10年で衣類の品質や洗濯テクノロジーは発展し、衣家事のあり方は大きく変化しています。今後、衣類や家事家電はさらに時短・簡単な方向へ開発が進みます。特に衣家事の量が最も多くなる子育て期には、最新の機能的衣類やAI家電を積極的に取り入れることで、家事を楽しむようにしてみてはいかがでしょうか。
住生活研究をはじめとする住まいの専門家
積水ハウス株式会社 フェロー 河﨑由美子
1987年入社。高校入学までの12年間を海外で過ごした経験や子育て経験などを生かし、総合住宅研究所でキッズデザイン、ペット共生、収納、食空間など、日々の生活に密着した分野の研究開発全般に携わる。
執行役員、住生活研究所長を経て2023年4月より現職。一級建築士。
●調査概要
<「生活定点調査〈衣家事編〉(2025年)」調査概要>
■調査実施:積水ハウス 総合住宅研究所
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:
①居住地域:全国
②性別・年齢:男女 25~74歳
③本調査スクリーニング条件:衣家事に一定以上関与している人*
■回収数:スクリーニング調査:25,547件/本調査:2,000件
■実施期間:2025年10月03日(金)~2025年10月09日(木)
<「生活定点調査〈衣家事編〉(2015年)」調査概要>
■調査実施:積水ハウス 総合住宅研究所
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:
①居住地域:全国
②性別・年齢:男女 25~69歳
③本調査スクリーニング条件:衣家事に一定以上関与している人*
■回収数:スクリーニング調査:29,541件/本調査:2,043件
■実施期間:2015年10月24日(土)~2015年10月26日(月)
*設問「あなたは衣家事にどの程度関与していますか。」に対して、「衣家事全体を担当する中心人物である」「自分のもの など、衣家事を部分的に担当している」「衣家事の中心人物ではないが、いつも積極的に手伝っている」と回答した人
<記事などでのご利用にあたって>
・引用元が「積水ハウス株式会社 総合住宅研究所」による調査である旨と、引用元調査「生活定点調査〈衣家事編〉(2025年/2015年)」の記載をお願いします。
・積水ハウス ウェブサイトの該当記事への下記リンク追加をお願いします。
https://www.sekisuihouse.co.jp/company/research/20260121/
<積水ハウスの住生活研究について>
人・暮らしの視点で、ライフステージ・ライフスタイル、そしてこれからの住まいのあり方の調査・研究を行っています。今後迎える「人生100年時代」には、暮らしにおける「幸せ」のさらなる追求が重要と考え、時間軸を意識した「住めば住むほど幸せ住まい」研究に取り組んでいます。研究を通して、幸せという無形価値、つまり「つながり」「健康」「生きがい」「私らしさ」「楽しさ」「役立ち」といった幸福感を高め、家族やライフスタイルの多様な変化に対応する幸せのかたちをお客さまへご提案することを目指しています。
ウェブサイト:https://www.sekisuihouse.co.jp/company/rd/humanlife/
これまでの調査リリース:https://www.sekisuihouse.co.jp/company/research/























