ノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅(29)が4大会連続の五輪を迎える。北京大会の失格の悪夢を経験してから4年。一時考えた引退を翻意し、飛ぶ理由を探しながら競技を続けてきた第一人者は「自分の全てをぶつけたい」と決意をにじませる。
22年5月。高梨は北海道上川町の実家で、届いた手紙に目を通していた。一つ一つの言葉が心に染み渡った。その3カ月前の北京五輪。混合団体の1番手として103メートルを飛んだ1回目の直後、スーツの規定違反で失格になると号泣した。2回目に巻き返したが、チームは4位。インスタグラムに黒一色の画像と共に謝罪の言葉を投稿した。
引退するつもりだったが、ファンのメッセージに心を動かされた。14歳だった11年1月10日、札幌市大倉山ジャンプ競技場の光景が脳裏に焼き付いている。条件は違うが、飛距離で男子の優勝者を上回る141メートルを飛び、沸き立つ会場の様子に自然と気持ちが高ぶった。「みんなと喜び合える、この瞬間のために飛んでいるんだ」。男女を通じ、W杯最多の63勝を誇るジャンパーの礎だ。








