ノーベル文学賞作家の大江健三郎さん(1935〜2023年)が東京大在学中に執筆した未発表の小説2作の自筆原稿が見つかったと2日、東京大が発表した。東京大によると、うち1作は大江さんの現存する小説としては最も古い作品で、専門家は「長いキャリアにおける初期の表現や葛藤の痕跡が分かる奇跡的な発見」としている。
「暗い部屋からの旅行」「旅への試み」と題した短編で存在自体が知られていなかった。6日発売の文芸誌「群像」(4月号)に掲載される。
「暗い―」は400字詰め原稿用紙82枚で、末尾に記された数字から1955年に書かれたという。3部構成で、表現の細かな修正が多数書き入れられていた。
周囲に類人猿扱いされている大学教授や、政治団体の青年の殺人事件に巻き込まれた女性らが登場。恋愛の要素が強く打ち出されている点が珍しく、後の作品に見られる「水死」などのモチーフも盛り込まれていた。
「旅へ―」は同42枚で57年5月の執筆。足が不自由な15歳の主人公が車いすで外出し、苦難に遭う。







