2月、検察長官会同で訓示する畝本直美検事総長=法務省

 1966年の静岡県一家4人殺害事件で再審無罪が確定した袴田巌さん(90)が、検察の控訴断念時の検事総長談話で犯人視され名誉を毀損されたとして、国に550万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が26日、静岡地裁(平山馨裁判長)で開かれた。袴田さんの弁護団によると、国は争う姿勢を示した。

 静岡地裁は2024年9月に捜査機関の証拠捏造を指摘し、再審無罪を言い渡した。畝本直美検事総長は翌10月に控訴断念を表明した談話で「判決は、理由中に多くの問題を含む到底承服できないもの」と表明していた。

 国側は、談話は証拠捏造の指摘に対する検察としての評価を示し、袴田さんに向けたものではないと主張。「袴田さんが犯人だと述べたものではない」と反論した。弁護団長は「検察は間違っていたことを認め、謝罪して終わらせるべきだった」と意見陳述した。

 袴田さん側は、談話が「名誉回復や社会復帰を著しく阻害した」とし「原告の名誉を毀損する違法なものであり、速やかに取り消すべきだ」と訴えている。