~広域型ウォーターPPPレベル3.5による先進的な官民連携モデルの実現へ向けアドバイザリーとして支援~
■ 日本初となる2市共同によるウォーターPPP案件が契約締結
■ 大阪狭山市・河内長野市が連携し、広域型ウォーターPPPレベル3.5を導入
■ EYSCが公募資料作成支援・事業者選定支援等のアドバイザリー業務を実施
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 近藤 聡、以下EYSC)は、大阪狭山市及び河内長野市が共同で実施する、日本初となる2市共同ウォーターPPP*1 事業「大阪狭山市公共下水道施設包括的維持管理業務(第3期)及び河内長野市下水道施設包括的管理業務」(以下、本事業)において、アドバイザリーとして公募支援を行いました。この度、本事業に係る大阪狭山市・河内長野市とウォーターPPP事業者が契約締結及び支援が完了したことを受け、その成果を公表します。
本事業は、下水道分野において「ウォーターPPPレベル3.5」を、単独自治体ではなく複数自治体が連携して導入する日本で初めての取り組みです。2023年に両市において検討が開始され、2026年2月19日には、大阪狭山市及び河内長野市の両市長ならびに受託者が出席し、契約締結式が執り行われました。本事業は、藤野興業株式会社(大阪府富田林市)を代表企業とする8者による共同企業体「南大阪広域下水道サービス(MOSS*2)」が受注しました。本件は、水分野におけるPPPの高度化に加え、「複数自治体による共同発注」という新たな官民連携モデルを具体的に実現した点に意義があると考えられます。今後、同様の課題を抱える全国の自治体にとって、広域連携型PPPの参考となることが期待されます。
■背景:持続可能な下水道事業に向けた2市連携という選択
大阪狭山市及び河内長野市は、隣接自治体として、流域関連公共下水道事業を実施してきました。両市はこれまでに、10年以上にわたる包括的民間委託をそれぞれ経験し、官民連携に関する一定のノウハウを蓄積してきました。一方で、人口減少や施設老朽化の進行、職員の高齢化・技術継承といった共通課題を背景に、単独市では得られない効率化や事業持続性の向上を目指し、2市が連携する広域型ウォーターPPPの導入が検討されました。本事業では、ウォーターPPPレベル3.5へのレベルアップに加え、以下の目的を掲げ、2市共同による事業実施が決定されました。
● 共通業務の効率化及びスケールメリットの創出
● 職員間の知見共有による技術力向上
● 災害時を含む情報共有・対応力の強化
● 民間ノウハウの活用と提案インセンティブの拡大
■事業概要:日本初の2市共同・広域型ウォーターPPPレベル3.5
本事業は、2市全域の下水道施設を対象とした、広域型ウォーターPPPレベル3.5(更新実施型*3)です。両市が協定書を締結し、公募・事業者選定・共同モニタリングを共同で実施する一方、契約締結や支払いなどの管理権限は各市に残す仕組みを採用しています。この方式により、自治体の自主性を確保しつつ、要求水準や契約条件の最大限の統一、共同モニタリングによる品質確保、災害時の連携強化など、広域連携の効果を発揮しやすい設計がなされています。
■EYSCの役割と意義:先進的官民連携モデルの社会実装を支援
EYSCは、本事業において以下のアドバイザリー支援を実施しました。
● 広域型ウォーターPPPレベル3.5導入に向けたスキーム検討支援
● 2市共同発注に向けた各種論点整理支援並びに募集要項及び要求水準書等の公募資料作成支援
● 事業者選定支援
EYSCは、上下水道分野及び官民連携に関する知見を生かし、本事業においてスキーム検討、公募資料作成、事業者選定まで一貫したアドバイザリー支援を行いました。今後も、公共インフラ分野における官民連携の高度化を通じて、地域社会の持続可能性向上に貢献していきます。
EYSC インフラストラクチャー・アドバイザリー リーダー アソシエートパートナー 福田 健一郎のコメント:
「本事業は、ウォーターPPPの新たな可能性を示す、日本初の2市共同による先進的な取り組みです。自治体がそれぞれの管理権限を維持しながら連携するという難易度の高いテーマに対し、両市が丁寧な検討を重ね、実現に至ったことは重要な取り組みであると考えています。EYSCは今後も、官民連携を通じた公共サービスの高度化と、持続可能なインフラ運営の実現を支援してまいります」
*1 ウォーターPPPは、上下水道分野における官民連携の総称で、コンセッション方式(レベル4)と管理・更新一体マネジメント方式(レベル3.5)の2方式から構成されます。レベル4は、公共主体が施設の所有権を維持したまま運営権を民間に設定し、利用料金の収受等を含む運営を民間が担う仕組みです。一方、レベル3.5は、公共からの委託料を収入とし、維持管理及び更新業務を長期契約の下で一体的にマネジメントする方式です。
*2 Minami Osaka Sewerage Serviceの略
*3 更新実施型:公共主体の管理権限を前提とし、下水道施設の維持管理業務に加え、更新業務を契約期間中に含めて実施するウォーターPPPレベル3.5の方式
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