精子が作られる過程で有害なウイルス遺伝子が活動するのを抑える仕組みが、生後3カ月から2歳ごろにかけて確立することを国立成育医療研究センターなどの研究チームが明らかにし、5日までに英科学誌に発表した。この仕組みが働かないと正常に精子ができず、男性不妊の一因となる。
センターの渡部聡朗共同研究員は「男性不妊のメカニズムの解明や、将来的に人工多能性幹細胞(iPS細胞)から精子を作る研究につなげたい」と話した。
人のDNAには、進化の過程で「レトロウイルス」の断片が入り込んでおり、暴走すると正常な遺伝子を壊してしまう。通常はDNAの「メチル化」という仕組みで活動を抑えている。
精子のもとになる生殖細胞のメチル化は、胎児初期にいったん消えるが、男性では精子が作られ始める思春期までに再び確立される。この間にメチル化が起こらないと、レトロウイルスが活動し、生殖細胞が死滅することがある。ただ確立の詳しい時期は不明だった。








